こんなに書いてるのに…なぜ反応が出ないのか?

「うちもブログはやってますよ」

リフォーム会社の担当者さんとお話ししていると、そうおっしゃる方はとても多いです。
実際、週1ペースでしっかり記事を更新していたり、過去の施工事例を写真付きで紹介していたりと、真面目に取り組まれている会社が多くあります。

しかし、次にこう続くことも少なくありません。

「でも、正直言うと……お問い合わせには全然つながっていないんですよね」

「とにかく更新は続けなきゃ」と思って、上司に言われた通りブログを書いている。
最初はやる気もあったし、「頑張って記事を書いていれば、いつか反響が出る」と信じていた。
けれど、半年経っても1年経っても、ブログ経由でのお問い合わせはゼロ、もしくは年に数件。

気づけば、内容は施工事例か社内ニュースの繰り返し。
本当にこれで意味があるのか?と疑問に思いながらも、辞めるわけにもいかず、
「とりあえず書く」を続けている――そんな方が本当に多いのです。

そして、その感覚は間違っていません。

“頑張って書いているのに反応が出ない”のは、書いている人が悪いのではなく、
「書く前の考え方」に原因があることがほとんどです。

リフォーム会社がハマりがちな「ブログの3つの落とし穴」

ブログを書いても反応が出ない――
その原因は「文章力」や「ネタの面白さ」以前に、ブログの“考え方”そのものにあります。

多くのリフォーム会社が、意図せずハマってしまう「落とし穴」。
最初にお伝えしたいのは、「とにかく更新すれば何とかなる」と思い込んでしまうことです。

①「とにかく更新すれば効果が出る」と思っている

ブログを始めるとき、よく言われるのが「まずは継続が大事」という言葉です。
もちろんそれ自体は間違っていません。継続は、何事にも大切です。

しかし、「更新すること」が目的になってしまったブログは、
読まれることもなく、ましてや問い合わせにつながることもほとんどありません。

たとえば、あなたの会社のブログは、
こんな状態になっていないでしょうか?

  • 今月も「ブログ更新ノルマ」があるから、とりあえず書く
  • 内容は施工事例の写真に「〇〇様ありがとうございました」と一言添えるだけ
  • 社員の出張報告や会社イベントなど、業界関係者向けの記事ばかり

これらは一見、“会社の動きがわかる良い記事”に見えるかもしれません。
ですが、見込み客が検索してまで読みたい内容か?と言われると、
答えはおそらく「NO」です。

つまり、「誰に向けて書いているのか」が曖昧なまま更新してしまうと、
それはブログではなく、“社内日記”になってしまうのです。

例えば、外壁塗装を検討しているお客様が検索で辿り着いたとき、
「社員旅行に行ってきました」や「◯◯様邸が完了しました!」という内容が並んでいたら、
その先に相談したくなるでしょうか?

もちろん、会社の雰囲気が伝わる記事も大切です。
でも、それは“信頼を深める”ための補足的な記事。
「お問い合わせ」につながる記事には、明確な設計と読者目線が必要です。

“とにかく書く”という努力が、見込み客に届かない形で終わってしまう――
この落とし穴にはまっている会社は、決して少なくありません。

② キーワードは入れてるけど“検索意図”を理解していない

ブログを始める際、「まずはキーワードを意識しよう」と聞いて、
「外壁塗装 費用」や「水回りリフォーム おすすめ」など、検索されそうな言葉を入れて記事を書いている。
このような取り組みをしているリフォーム会社も多いかと思います。

ですが、それでも上位表示されなかったり、アクセスが集まってもお問い合わせにつながらない――
そんな経験はないでしょうか?

実はこの状態、“キーワードの使い方”は合っていても、“検索意図の理解”がズレている場合に起きやすいのです。

たとえば、「外壁塗装 時期」というキーワードを使って記事を書くとします。
このとき、ただ「春と秋がオススメです」と答えを並べるだけの記事になっていませんか?

でも実際にこの言葉で検索している人は、

  • 「うちの壁、そろそろやばいのかな?」
  • 「今塗り替えたら損しないかな?」
  • 「冬に塗装すると失敗する?」
    といった不安や迷いの真っ只中にいる人たちです。

彼らが知りたいのは、“時期”そのものよりも、
「今やるべきか、まだ待っていいのか?」という判断材料です。

つまり、キーワードを入れることよりも先に、
検索している人の気持ちを想像することが重要なのです。

そしてそれこそが、「検索意図を汲む」ということ。

SEO対策という言葉を聞くと、どうしても「検索エンジンに評価される記事の作り方」と思われがちです。
しかし、本当にGoogleが評価するのは、“ユーザーにとって価値ある情報”です。

そして価値ある情報とは、
検索してきた人の「知りたい」「解決したい」に真っ直ぐ応える記事です。

どんなにキーワードが盛り込まれていても、
読者の頭の中にある“本音”を無視した内容では、
クリックされてもすぐに離脱され、反応もありません。

「この人、自分のことをちゃんとわかってくれてるな」
そう思ってもらえる記事こそが、
問い合わせにつながる、読まれるブログなのです。

③ 自社紹介に終始していて、“お客様の悩み”が見えていない

ブログを続けていると、つい「うちの強みをもっと知ってほしい」「他社との違いを伝えたい」と思ってしまいますよね。
その気持ちは当然ですし、経営者や社内スタッフの想いがこもった言葉には説得力もあります。

けれど、それが「自社の話ばかりになっていないか?」という視点を、一度立ち止まって考えてみてほしいのです。

たとえば、

  • 「創業◯年の実績があります」
  • 「地域密着で丁寧な対応を心がけています」
  • 「職人の技術に自信があります」

こうしたフレーズは、多くのリフォーム会社のブログやホームページで見かけます。
けれど、それを初めて検索してきた読者は、どう感じるでしょうか?

おそらく、「どこも似たようなことを言ってるな…」
という感覚になってしまっている可能性が高いです。

読者が求めているのは、“この会社がどれだけすごいか”ではなく、
“自分の悩みが解決できるかどうか”です。

たとえば、「中古住宅を買ったけど、冬が寒すぎて困っている」という人がいたとします。
その人に対して必要なのは、

  • 「断熱リフォームをすると何が変わるのか?」
  • 「工事期間は?費用感は?生活はどうなる?」
  • 「同じような家でやった事例はあるのか?」

といった具体的で、自分ごととして想像できる内容です。

逆に、「当社のこだわり」や「スタッフの情熱」ばかりが続くと、
読者は「良さそうだけど、今の自分には関係ないな」と思って、離脱してしまいます。

大切なのは、
「伝えたいこと」ではなく「知りたいこと」から書くこと。

そして、伝えたい想いがあるなら、
それを「読者の悩みとどうつながっているか?」という視点で言い換えることです。

たとえば:

×「うちは創業30年の実績があります」
→ ○「築30年以上の家を熟知しているから、古い家の断熱にも最適な提案ができます」

そうすることで、
“読者の悩み”と“自社の強み”が自然につながり、
「この会社、ちょっと相談してみようかな」と思ってもらえるきっかけになります。

「読まれない」ではなく「届いていない」ブログになっていませんか?


ここまで、リフォーム会社のブログがハマりがちな落とし穴についてご紹介してきました。
もし「うちもあてはまってるかも…」と思ったとしても、落ち込む必要はまったくありません。

なぜなら、それは“努力が間違っていた”のではなく、“設計がなかっただけ”だからです。

今まで頑張って書いてきた施工事例やお知らせ記事。
それらが読まれなかったのは、あなたの書き方が悪かったわけではなく、
「誰に」「何を」「どう届けるか」というブログ全体の“設計図”がなかっただけなんです。

ブログというのは、ただ書けば読まれるものではありません。
もっといえば、読まれることだけがゴールではないんです。

たとえば、あなたの会社のブログには、
記事を読んだ後に「お問い合わせはこちら」や「無料見積もりフォームへ」といったボタンが設置されていますか?
あるいは、具体的な相談事例や、「よくある質問」など、“次のアクション”へ進める導線が設計されていますか?

「アクセスを集めること」がゴールになっているブログは、
読者が読んだ瞬間に終わってしまいます。
でも、本当に成果につながるブログというのは、

  • 「あ、この会社ちょっと話を聞いてみたい」
  • 「自分の悩みに似てる事例があったから相談してみようかな」

といった“行動のきっかけ”をつくってくれるものです。

それを実現するためには、記事ごとにゴールを決めておく必要があります。

例えば:

  • 「このリフォームジャンルに関心がある人に、施工事例を見せて信頼を得る」
  • 「価格で迷っている人に、“納得感”を与える記事を書く」
  • 「検討初期の人に、“無料相談”へ自然につなげる内容にする」

こうした目的設計のない記事は、いくら検索にヒットしても読者の記憶に残りません。

そしてもう一つ見直したいのが、「CTA(行動導線)」です。

せっかく記事を読んでもらっても、
そのあとに“ついで程度”で「お気軽にお問い合わせください」と一行添えているだけでは、反応は得られません。

CTAは、記事の目的に合わせて丁寧に設計するべきです。

たとえば:

  • 「築20年以上のお家にお住まいの方へ。断熱リフォームの無料相談はこちら」
  • 「同じようなケースで施工した実例もございます。詳細をご希望の方はお気軽に」
  • 「まずはお家の状態を確認したい方に、無料点検をご案内しています」

このように、読者の“今の状態”に寄り添ったCTAを設置すれば、
自然と相談・問い合わせにつながっていきます。

まとめると――

ブログは、ただ書くものではなく、行動の起点となる設計が必要です。
そして今までの努力は、設計さえ整えば十分に活かすことができます。

まとめ|“とりあえず書く”から、“選ばれるブログ”へ

ブログを一生懸命続けているのに、なかなか反応が出ない。
アクセス数は増えてきたけど、お問い合わせにはつながらない。

そういった声は、決して珍しくありません。
そしてそれは、書いているあなたの努力が足りないからではないんです。

むしろ、週1本の更新を何ヶ月も、何年も続けているというのは、
忙しい業務の合間を縫って、手間と時間をかけて積み上げてきた証です。
それは本当にすごいことです。

でも、「努力の方向が少しだけズレていた」としたら、どうでしょう?

ほんの少し視点を変えるだけで、
今まで書いてきた記事が、“選ばれる理由”に変わる可能性は大いにあります。

これからのブログに必要なのは、
記事を「とりあえず更新するもの」ではなく、
“営業マンのように、見込み客の背中を押す存在”に育てることです。

記事一つひとつに、

  • 「誰に向けて」
  • 「どんな悩みを解決して」
  • 「どんな行動をしてもらうか」

という“設計図”があるだけで、
ブログは見違えるように変わっていきます。

反応が出ないと感じていたブログも、
ほんの少し整えてあげるだけで、
「この会社に相談してみよう」と思ってもらえる営業ツールに変わるんです。

これまでの頑張りをムダにする必要はありません。
むしろ、その積み上げてきた記事たちは、再設計すればもっと力を発揮してくれます。

もし、
「そろそろブログの方向性を見直したい」
「ちゃんと成果につながるようにしたい」
そう思ったなら、ぜひ一度見直してみてください。“とりあえず書く”から、“選ばれるブログ”へ。
今からでも、十分に間に合います。